大切な人と共に最後まで自分らしく生きる〜ピンクリボンシンポジウム〜

10月はピンクリボン月間です。

10月1日開催のピンクリボンシンポジウム2017に参加してきました。
今日のシンポジウムでは、日本の代表として世界のガン医療と繋がっている先生方から、最先端医療、チーム医療の現状、患者と家族の心のケアを学び、続いて南果歩さんのお話…と盛り沢山。

 

私の個人的な覚書として、お話しをシェアいたします。

 

支えあれば、勇気が生まれる

 

『乳がん医療の未来を拓く』

がん研究会有明病院乳腺センター長 大野真司先生

大野先生によると、
世界基準の医療トレンドでは、
「escalation」(治療をより加えていく)から
「deescalation」(不要な治療を減らしていく)だそうです。

年々新薬が開発され、手術や医療の技術が上がるなか
・乳房切除から温存へ。
・放射線もピンポイントで短期間。
・早期であれば様子を診る。
・薬は検査を挟みながら適切なものを選ぶ。

「Watch & Wait」

このように、患者さんの身体の負担をより軽くする傾向になっています。また、外科的な治療だけでなく、心や日々の生活をケア、向上するチーム医療、社会で支えていくしくみが大切とおっしゃっていました。

今の問題は、海外の新薬が日本で認可、適用されるまでのドラッグラグ。5年、10年まちもあるそうです。
大野先生は、なるべくそのタイムラグを減らし、必要な人に届くように、日本も世界の臨床試験に参加して、話し合いや開発をしていくことを提唱、活動されています。

 

手術法、薬は20年、30年前と大きく変わっています。母は、20年前に乳がんがわかり、全摘をしました。
術後、「腕が上がらない、つっぱる、痛い…」と
かなり大変そうでした。そんな辛さがありながらも、リンパへの転移もありました。幸い、新しい薬を使って、なだめながら付き合っています。
大野先生には、先日お会いして、「なるべく体に負担のないように、薬を選択していきましょう」とアドバイスをいただきました。単に治療の押し付けではなく、母の今までの状態や現在に耳を傾け、暮らしにトータルに寄り添う姿に感動しました。感謝です。

 

 

『「がんと共に、自分らしく生きる」を支える医療』

虎ノ門病院臨床腫瘍科部長 高野利実先生

高野先生の「腫瘍内科医」は、がんを総合的に診る内科医でがん医療のコーディネーター。
真の専門家が最適医療のための役割分担をして
チームプレーをしていくことで患者さんの心や生き方にも寄り添う医療をと活動されいます。

がん治療について、「がんが消えた!」などの言葉や、「抗がん剤はやらない」などの様々な話が巷にあります。

先生によると、正しい情報と疑わしい情報の見極めが難しく、振り回されたり、簡単な方法を求めてさまよう「がん難民」になり、「もう自分に合う治療法はない…」と絶望的な気持ちで診療にいらっしゃる方も多いそうです。

薬があれば使う、薬がなければ絶望。
こんな、「薬ありき」の2択思考になってしまったり
もう治療法はありませんと患者さんを放置、あきらめるのではなく…
「本来何のための治療なのか…」「自分の幸せとはなにか」目的を考えて、がんとうまく付き合う。そのために私たちはチームとなっていきます。とお話しされました。

「今、ここで受けられる医療を最大限活用しながら自分らしく生きる」その軸が大切とのことでした。

 

同じ乳がんでも今はタイプが20種類以上に分類されるそうです。なので、抗がん剤の種類により、効果が出る人と効果があまり感じられない人と様々だそうです。母の場合、あまり薬が効かないタイプのようです。とはいえ、何もしないとがんは増え、苦しい。使える薬に希望をかけて、副作用に苦しみつつバランスをとっています。
あらためて、薬との付き合い方と共にそれ以前に、がんと共に暮らす上でどんな暮らしが自分らしいのか…考える時期にきています。寄り添ってくださる先生がいらっしゃるだけで心強いのです。

 

 

『乳がん医療に欠かせない心のケア』

埼玉医科大学国際医療センター 精神腫瘍科教授
大西秀樹先生

大西先生は、がん患者さんへの心のケアをされています。

薬や治療法は進化し、生存率は上がっていてもまだまだ
ガンは死。絶望…というイメージが根強いです。

そして、特に乳がんは、発症年齢が若く、結婚や子育て、仕事や社会復帰、家族との関係などに悩む方が多くみうけられるそうです。
そして、女性として見た目も気になるところ。
様々な要因が重なり、孤独に悩んで
精神疾患診断がつく方は2人に1人だそうです。

また、患者さんだけでなく家族が鬱になるケースも問題。ここでも、患者さん、家族を巻き込んでのケアが医療や社会で大切になるというお話しでした。

先生のお話で心に残ったのは、「人間にはレジリエンスがある。」
一度絶望しても、心は立ち上がる力がある。
身体はがんになっても、心はがんにならない。
病気をもとに、
人が人間的成長していく姿を多く見守ってきたそうです。

 

母ががんになってから、20年。何をどうサポートしていいのかわからず、ずっと自分の力不足を感じてきました。
最近になって、母が家族に秘密で手術したり、1人で悩んでいたことを後で知り、申し訳ない気持ちにもなりました。今では、自分の気持ちや悩みを私に打ち明けてくれるようになり、家族一緒に、病気と共に暮らし、歩めることが嬉しいです。
私の知らないところ、見えないところでは、多くの方々に支えられてきたことや、今、生きていること、一緒に居られることに感謝です。
母も私も、成長してきたんだなと感じます。

 

 

最後に、昨年、早期手術をしたサバイバーの南果歩さん。

 

一筋縄にはいかないこの乳がんと、生きていく

女優 南果歩さん

病気になっても病人にならない

病気を受け入れて自分らしく進化していく

がん=死ではなく、がん=新しい人生です!

前の先生のお話しを受けて、
南果歩さんからは、こんなメッセージをいただきました。

昨年手術をしてから、薬をやめているそうです。
その選択も、自分でしたそうです。
薬をやるやらないどちらがいいというわけではなく、
自分の幸せとは?
自分の時間を自分らしく過ごすためには?と問いかけた答えだそうです。

 

母のがんを知った時から、「死」を強く意識するようになりました。決して親孝行な子どもではなく、いつも反発ばかりしていたのですが、母が死ぬかもしれない…そう感じてからは、一気に親への悩みや反発心などは消えて、感謝に変わりました。
それと共に、自分が今生きていることも当たり前ではないと実感しました。もともと7ヶ月の早産なのもあり、すべてが奇跡。子どもたちを無事に産めて育てているのも感謝です。
私は今、がんではないですが、一分一秒大切にしていきたいです。

 

「自分らしさ」がキーワード

皆さんに通じていたメッセージは「自分らしさ」。

医療は年々進歩して恩恵を預かる一方で、情報や選択肢が増え振り回されてしまう患者さんも多数。改めて
自分の生き方あり方を問い直して、毎日を大切に生きていくのががんと共に生きること。

 

孤独になり、鬱になりやすい患者さんや家族。
それを理解し寄り添い、サポートしてくださる医療チームや社会の存在はとても大きいです。

がん患者は2人に1人、乳がんにかかる確率は11人に1人と言われている中、患者さん、家族、仕事や社会…関わりは広いです。
がんはまず、正しい情報共有、理解、つながり…が大切と言われています。

がんと診断されてから、治癒する方もいれば、再発する方もいる。どうなるかはわかりません。
「治った!」と喜んでいたら、数年後に転移…ということもあります。(実際私の母がそうでした。)

「克服する」、「治す」ということを目標にしていると
どんどん高額な医療、強い薬へシフトしていってしまいます。
そして、追い詰められていきます。
たしかに、がんを消したい、その気持ちはあります。
とにかく不安なのです。

大野先生から、あなたはゆっくりながんだから。
慌てなくていいよという言葉をいただいた時、
ホッとチカラが抜けました。
それまで、むしゃらに強い薬を求めていたのです。

みんなが「がんと共に生きる」を考え、
ゆるやかな生き方を創っていく。
安心して自分のよりよい生き方を考えられる。
そんな社会になれると、患者さんや家族の
気持ちがより楽になるかと思います。

 

最期まで人として尊厳のある生き方が出来る環境を、皆で考え整えていく必要を感じます。

 

私は医療従事者ではないですが、
イメージコンサルティング(メイクや服装、色使い)では
患者さんの心に寄り添い、「心から見た目のケアまで」サポートできたらと考えています。

一人ひとりが持っているチカラや可能性を活かすサポートをつづけてまいります。

ありがとうございました。